支部長     
光字輩門人 保坂

 『知止会』の名前の由来は、劉公雲樵先師の言葉を纏めた著作「劉雲樵大師及其武學思想」(武壇雑誌社 許秋徳)の中で、師爺が「大學」経一章中の「知止而后有定」の要諦に照らして武學について話された言葉が元になっています。

 武壇の『壇』は、高い境地を目指して学び、修錬し、より高い段階に至る事を意味すると、大柳勝先生より厳しく学んで来ました。何より武壇の精神を生きたものとして実地に示される先生を目標にして遥かに仰ぎ見ながら学び、長年に渡り手取り足取りのご指導を賜れたことは大きな幸せでした。これからも私は、その教えを求め続けて行くでしょう。そして、これからは、志ある方々と共に、武術を教え学ぶ過程で様々な体験をし、先人の智慧・境地を知り学び取り、より人生を豊かにしていけるようにと、そんな思いを込めて支部名としました。

 知止会では、本会の練習課程に準じた練習を行っていきます。

 初めに、基本功訓練班において、手眼身心歩の基本五法を学びます。次に、基本班Tの段階では、左右対称の動作を行いながら体を大きく開き、伸びやかな体の使い方や感覚、空間の捉え方を『十路弾腿』を通して学びます。

 その後、基本班Uでは、男性は『功力拳』を、女性は『少林脱戦拳』を学びます。『功力拳』は、ゆっくりとした重厚な技の学びを通して、そうした身のこなしや落ち着きを学び、同時に武術の練習生らしさを培います。『少林脱戦拳』は、関節技や関節技を掛けられた場合の脱し方等を含んだ短い型で、女性にとって護身としての心得ともなるものを学びます。

 基本班Uを終了後は、門派別の学習へ進みます。武壇日本分会本会では、一門派専修による門派別学習を採用しており、当支部もそれに準じて一門派専修となります。門派の選定にあたっては、学習者の希望や適性などを見て決めていきます。『知止会』で学ぶことが可能な学習内容は以下になります。

【練習内容】

基本功訓練班

 手眼身心歩の基本五法を、立ち方(架式)、移動(歩法)、突き(捶法)、蹴り(腿法)等を学習し、基本的な身体の使い方、感覚等を養成していきます。日本人が学習する際に躓きやすい点等を理解しながら学習を進めます。

基本班T

 十路弾腿を学習します。十路弾腿は、様々な門派(流派)のエッセンスを含んでいる為、学習の初めに取り組むものとして一般に普及しています。
套路(型)の構成も、左右均等の動きの繰り返しで偏りがなく、大きく体を使い、伸びやかに動かすので、武術としての厳しさと同時に気持ちの面でも大らかさを併せ持ちながら上達していく事が出来ます。

基本班U

男性:

 功力拳を学習します。基本功訓練班、基本班Tで学習してきたものを土台として、技の訓練を通して、土台の安定感、力強さ(功力)を養成し、次の段階の門派(流派)別の学習に備えます。

女性:

 少林脱戦拳を学習します。精武体育会の少林五戦拳の一つで、その名の通り危険な状況から脱するための技を学びます。関節を掛ける、掛けられた関節技を外す等の基本的な技も含んでいますので、女性にとって護身術の心得としても役立ちます。

門派(流派)別学習

拳法:

 八極拳(劈掛掌併修) 八卦掌 陳家太極拳(老架、新架、砲捶)
 長拳(査拳、少林拳等) その他(形意拳、六合拳等)

兵器:

 刀 剣 棍 槍 その他(九節鞭、流星錘 双鉞等)